得意な認知機能を見つけることの意義
先日、とある精神科クリニックでのできごとです。
認知症のご本人と家族の方が、CogEvo(コグエボ)で認知機能のチェックを行ったのですが、ご本人がいきなり空間認識力のタスク(ジャストフィット)で特級を出したのです。他のタスクは殆どできなかったのですが、同タスクは高得点をだし、家族は非常に驚いた様子でした。実施したご本人も嬉しい表情で何度もチャレンジしたいと話していました。
MMSE(ミニメンタル・ステート検査)では総得点でフィードバックされることが殆どで、認知症が進行している方にとっては結果に対して前向きにとらえるのは難しいと言われています。
CogEvoは、得点・指数・級表示の説明のしやすさだけでなく、電子機器に不慣れな高齢者でも興味を持って取り組むことができたり、高得点を目指してタスクを繰り返しできることについて、専門医の方々からも評価されています。
外来のたびに行う認知機能検査は本人や家族にとってもストレスがかかり、受診抑制の要因のひとつとも言われています。受診に前向きになることは、認知症以外の疾患や体調の変化を見つけることにもなるため、健康維持の面でも非常に大切なことです。
そして、認知症が進行していても得意な認知機能があることは、それを活かした生活の対処の方法を見つけることで、その人らしい健康な暮らしを長く保つことが可能になります。
これからも脳活バランサーCogEvoは、使う人の視点に立ったツールとして、エビデンス(科学的根拠)の取得だけでなく、より使いやすい技術開発に取り組みながら進化していきます。
認知機能の見える化研究所