反応時間が遅くなるのは認知機能低下の予兆のひとつです

ヒトは、外部から受ける何かしらの刺激を情報として知覚し、脳内情報処理過程を経た運動指令をもとに行動しますが、この刺激の入力から運動開始まで一連の過程を表す指標として「反応時間」があります。
反応の遅れは高齢者による交通事故の要因のひとつでもあり、運転適性検査では「単純・選択反応検査」が用いられています。高齢者の単純反応速度はやや遅くばらつきが大きく、また選択肢が増えると脳の処理時間が加わり反応時間が遅れるため、高齢期では加齢とともに有意に遅延することが多くの先行研究で報告されています。

また、スポーツにおける脳しんとうの初期徴候や症状の1つとして反応時間が遅いことがあげられています。
(下表参照)

脳しんとうの一般的な初期的徴候や症状(IRB脳振盪ガイドライン:国際ラグビーボード)

手がかり 徴候を示すもの
症状 頭痛、めまい、霧の中にいる感じ
全身的な徴候 意識消失、ぼんやりする、嘔吐、不適切なプレーをする、足がふらつく、反応が遅い
行動の変化 不適切な感情、興奮状態、怒りやすい、神経質また不安になる
認知機能障害 反応時間が遅い、混乱/見当識障害、注意力や集中力がない、脳震盪前後の記憶がない
睡眠障害 眠気

 

そのほか、脳出血や脳梗塞といった脳疾患によって反応が鈍くなることがわかっており、反応時間の遅れは脳の機能低下の予兆のひとつであるといえます。
一方で、ミニメンタルステート検査(MMSE)などの認知機能検査では各設問の回答に要する正確な時間を計測することがほとんどありません。検査結果は反応時間の影響を受けないため、反応時間が遅くなっても高得点であれば問題がないと判断されるケースがあります。

脳活バランサーCogEvoは、正答率と回答時間によって得点が算出されるため、反応時間の遅れが結果に反映されることから、認知機能の軽微な変化に気づくことが可能になります。
日々、簡単・手軽に反応時間を含む認知機能の状態がわかれば、日常生活を維持できるきっかけなるのではないでしょうか。

(認知機能の見える化研究所)

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