脳トレはネットワークのつながりが期待できるもので行うことが効果的

脳トレとは、脳を刺激し、脳内の血流を促進して、記憶力や集中力などの認知機能の改善を促すトレーニングのことで、子どもから高齢者まで対象は幅広く、娯楽、学習効果、認知症予防、など、利用目的も様々です。あまり知られていませんが、事故や病気で脳にダメージを受けた人のリハビリや精神疾患の患者さんの治療にも活用されています。

脳トレの多くはドリルやアプリなどを使って行いますが、それらは、読む・書く(漢字・図)・計算する・比べる・並びかえる・探す(同じもの・間違い)・覚える・想い出す・タッチする、などの内容になっています。
このことを認知機能の視点で考えると、本を読むは「言語理解」や「(聴覚性)ワーキングメモリ」、計算するは「(視覚性/聴覚性)ワーキングメモリ」、図を書くは「視空間認知」「運動制御(協調性)」、タッチするは「注意力」「運動制御(協調性)」、並び変えるは「視空間認知」「ワーキングメモリ」、間違いを探すは「注意力」「視空間認知」、覚えるは「短期記憶力」、想い出すは「想起力」と読み替えることができ、整理すると、視覚性や聴覚性の記憶力(ワーキングメモリ、記銘、想起)、注意力(持続性、分配性)、言語理解、空間認知力、運動制御(視覚と運動機能の協調性)、処理速度などの改善を期待したものとなります。

私たちは視覚や聴覚から情報を得て、思考や判断などの情報処理の過程では言語理解、注意力、記憶力、空間認知力が関与し、最終的には言葉や手足の運動機能を使って表現しますが、この過程において前頭葉(判断・思考・コミュニケーション)、特に脳の司令塔である前頭前野(ワーキングメモリー、反応抑制、行動の切り替え、プラニング、推論などの認知・実行機能)、頭頂葉(空間認知)、後頭葉(視覚)、側頭葉(聴覚)、の大脳や小脳(運動機能)、海馬(記憶)などのネットワークを駆使して処理されていると考えられています。

ゆえに、脳トレは、多くの脳の機能を使ってネットワークのつながりが期待できるツールを用いることが効果的と言えます。

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