空間認知とは「3次元空間において自己と空間の相対的位置関係を把握すること」と定義されています。3次元における空間認知能力は日常生活に不可欠なだけでなく運動能力とも深く関係しており、様々な感覚情報が上位中枢に統合されることで形成されてるとしています。
空間認知に関わる感覚情報として、視空間認知のための視覚情報、視覚対象が動く場合は眼球運動によって動きの情報を得ることがもできます。さらに、自己の動きが伴う場合は前庭感覚を含む体性感覚(運動感覚)も必要とされます。

視空間認知機能は「見たものの全体像を把握する機能」で、以下のようにいくつかの要素に分けて考えることができます。
対象と背景を区別するはたらき
形や色を認識するはたらき
形・方向に左右されず、同じ形を「同じだ」と把握するはたらき
ものともの(あるいは自分ともの)の位置関係を把握するためのはたらき

視力が障害されていないにもかかわらず、顔や物品の認識や物品を見つける能力の障害、簡単な道具の操作や着衣の能力の障害があることをし空間認識障害といいます。
アルツハイマー型認知症の場合には、初期では図形を描くのが下手になり、運転で道に迷うようになる、車の車庫入れができなくなる、中期では、物を探すのが難しくなる、後期では簡単な道具の操作と着衣ができなくなるようになるようになります。

方向音痴と空間認知

方向音痴は、その条件のひとつとして地図を利用して目的地に容易に到着することができないことがあげれていますが、

グリッド細胞が2005年に発見されて以来、空間認知における脳のメカニズムの解明が進んでいます。グリッド細胞は環境の把握をグリッド上で行っている細胞といわれています。