【カード記憶】はワーキングメモリのトレーニングツールです
「カード記憶」は次々にカードをめくり、同じ記号のカードが一度でも開かれていれば「ある」、無ければ「ない」を選んでいく一時的に記憶を保持するワーキングメモリのタスクでもあります。
ワーキングメモリは別名「作業記憶」と言われ、情報を保持しながら認知操作を行う動的な記憶で、他者とのコミュニケーションや読書、計算、推理など何かを行う際の情報を処理する機能です。
人間のワーキング・メモリーには、処理容量の限界があり、一時的な記憶で処理できるのは4~7個くらいの要素で10~15秒で消えてしまう必要なときに必要なだけ存在する記憶であるともいえます。
ワーキングメモリーは加齢とともに機能が低下することがわかっており、物忘れのように過去のできごとが思い出せないのではなく、マルチタスクと言われる同時に並行して処理することや、口頭のみの情報が理解しずらくなる、違いな言動をするのはワーキングメモリーがうまく働かなくなったことが一因です
短期記憶とワーキングメモリの違いについては、料理に例えると、短期記憶が衰えると「昨日の夕飯は何を作ったっけ?」、ワーキングメモリが衰えると「味が薄かった(レシピを間違う)・・」「レバニラ炒め焦がしちゃった・・・」ということになります。
ワーキングメモリのトレーニングは、メモリの容量自体を高めることを目的としたゲームで行われることがほとんどで、Nバック課題が有名ですが、文字や数字を再生、逆唱、暗算、などが効果的とされています。
楽器演奏は譜面を見ながら指を動かすという作業をするため、ワーキングメモリトレーニングになることはよく知られていて、学習効果を期待して習わせるケースもよくわります
ワーキングメモリを鍛えることは、記憶力を高めるということではなく、読解力や理解力、計算力、注意や感情の制御につながり、受験や仕事効率の向上につながります。