【見当識】のタスクは複合的な注意力トレーニングになります
見当識とは、現在の年月や時刻、自分がどこに居るかなど基本的な状況把握のことで、意識障害の指標として用いられることが多いようです。また、現在自己自身が生活している状況を、周囲との関係と個人経験を結び付けてとらえる能力記憶、思考、意識、視覚認知などが関わっている単一の認知機能ではありません。
認知症の場合には日付や時間を間違える「時間」の認識の障害が起き、その後「場所」「人」の順で進行するといわれています。認知症高齢者で自分が何者であるかという見当識が障害されることは稀です
人の見当識障害は、自分の名前や生まれ育った場所に関する認識を失い、家族や友人などの人間関係のつながりもわからなくなってしまいます。完全にその人のことがわからないというわけではなく、見覚えがある顔だと思っていても、相手と自分がどんな関係なのか思い出せないのです。
一般的な心理検査において「見当識」は、例えば「おとといは、何月何日でしたか?」という問いかけに対して「〇月〇日です」と回答して終わりとなります。一方で、CogEvoでは、日付や曜日、時間を一昨日から明後日までの範囲で7~14の選択肢の中から回答していきます。その際には、まず頭の中でとどめながら(ワーキングメモリ)、画面を集中して見る(視覚性・持続性注意)、14の回答例から正解をさがす(視覚探索力)、正解を素早くタッチする(視覚と手の協応運動)という行為を行いますが、見当識以外に主に注意力に関連した複数の認知機能を使うことになります。
つまり、見当識だけでなく、注意・集中するスキル(注意力)、効率よく見分けるスキル(視覚認知力)が必要となり、繰り返し行うことで複合的な注意力トレーニング効果が期待できます。
また、見当識が低下して正しく回答できないという方でも、時計やカレンダーを横においてトレーニング目的で使用することができます。