【ストップウォッチ】は抑制力のチェック&トレーニングにもなります

脳活バランサーCogEvoの中で「注意力」の認知機能を使うタスク「ストップウォッチ」を科学します。


「ストップウォッチ」は指示された秒数ピッタリで時計を止めるタスクで、次のステージに進むには、前後0.5秒以内に止める必要があります。CogEvoの5つの認知機能の中では注意力のタスクに分類されていますが、実は「抑制力」も必要となります。

一般的に抑制力は前頭葉機能が関与していると言われており、加齢にともない低下すると言われています。機能低下が起こると、「言葉遣いが荒い」「急に怒り出し, 物を投げつける」「場所をわきまえず泣き叫ぶ」「大声を出す」「何事も待てない」等、の行動が見られます。これらの現象は高齢者に限らず、若い人でも車の運転や順番を待つような場面など日常のいろんな風景の中で見かけることがあります。


「ストップウォッチ」は神経心理ピラミッドで有名なニューヨーク大学医療センター・ラスク研究所における脳損傷者通院プログラムでも用いられています。

この神経心理ピラミッドの図は、脳の各機能は単に並列的に存在するのではなく、階層構造的に捉えるべきで、より下方に位置する神経心理学的機能が充分に働かないと、それより上位の機能を充分に発揮させることができないことを表しています。
抑制力が働かない時は、情報処理や遂行機能、論理的思考などに影響を及ぼし、仕事などの作業効率が落ちてしまいがちになります。

たとえば,「新しいことを憶えられない」という記憶に関する問題行動が起こったとき、この問題行動の原因は必ずしも記憶機能によるものだけではありません。易疲労性や覚醒の低下の結果、自発性や意欲が低下し、注意・集中力も低下し、結果として情報獲得がままならず憶えられないといったプロセスが十分予想されます。


脳損傷や認知症等、脳内の器質変化によって、「状況に対する反応としての衝動や感情を抑えることが不能になった状態」のことを「脱抑制」または「易怒性」と表現されています。こういう状態は、外的な刺激に対して衝動的に反応したり、内的な欲求を制御することができず本能のおもむくままに行動したりするため、相手を傷つけたり,気分を害したりしてしまうことがあり,集団のなかで適応した生活を送ることが難しくなるという問題があります。

感情、特に怒りのマネジメントが話題になっていますが、会社や人に会う前にストップウォッチ課題をやることで、自身の抑制力のセルフチェックをして、楽しい一日になるよう気持ちを整えてみるのもいいのではと思います。

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