生涯現役と認知機能

高齢化社会になる中で、雇用延長や年金受給開始時期の変更など社会インフラの整備が始まっています。長く働き続けるためには良好な健康状態を保つことはもちろんですが、認知機能を維持することが重要であるといわれています。
認知機能というと認知症を想像するかたが多いようですが、実は私たちの生活にとても密接な機能のひとつです。10月に開催された日本認知症学会の若年認知症のシンポジウムで、就業継続困難による経済的貧困になることが若年認知症の大きな問題のひとつであると報告していました。
働くことは、業務をきちんと遂行することと職場や取引先とのコミュニケーションをとるということが必要となりますが、記憶障害(物忘れ)によって起こる問題は、過去の出来事を思い出せないので困るのではなく、約束を忘れたり、言ったことを忘れてしまって、人との関係性に影響することとによって本人も周囲の人も困ることにあります。
つまり、認知機能低下によって、社会生活と社会関係性に障害が出てくると、就業継続が難しくなることを意味しています。
日ごろから自身の認知機能に関心を持ち、何らかの変化があったときには、機能維持のための脳トレの実施、食生活の改善、仕事内容の変更、医療機関への受診、必要な支援やサービスを受ける、などの必要な環境調整の準備をすることが、いつまでも働き続ける、社会参加し続ける_生涯現役を可能にする一助ではないでしょうか

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